ヘイトスピーチをゆるさない 「人である人」いま再び集まろう

終了しました。ご参加・ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。


2024年1月13日

 

マイノリティへのヘイトスピーチをゆるさない

「人である人」集まろう 集会声明

 

2023年2月25日、私たちアイヌ民族、在日コリアン、部落民、琉球人、LGBTQ+、障がい者、女性、在住外国人など、日本で「マイノリティ」とされる人々が札幌に集い、怒りを分かち合いました。 政治家、官僚、大学教授など権力者による一連の差別・誹謗中傷発言への怒り、悲しみ、悔しさを共有し、真に人権が尊重される社会の実現に向けて私たちがどのように取り組んでいけばよいのか、そのビジョンを共有するために。

 

集いの直接のきっかけは、前総務大臣政務官の杉田水脈・衆議院議員の差別発言とそのおざなりな「謝罪」、そして杉田議員をかばい続ける与党の姿勢でした。こうした状況を許してはいけない、と被害者である在日コリアン、アイヌ民族が救済を申し立て、2023年秋には札幌と大阪の法務局が、杉田議員のインターネット投稿を人権侵犯だと認定し、「啓発」を行いました。

 

しかし杉田議員は「既に(投稿を)撤回し、謝罪している」として居直り、差別したという認識は「全くない」と発言するなど、謝罪が口先だけだったことを隠そうともしませんでした。それどころか、特定のマイノリティ個人を取り上げて批判を浴びせ、差別の加害者ではなく被害者側に非があるかのような主張を展開しました。これはマイノリティの人々の個人的な安全や心理的な安寧を直接脅かす非人道的な差別だと言わざるを得ません。

 

このような杉田議員は、政府高官として全く相応しくないのはもちろん、国会議員を名乗る資格すら疑われます。しかし杉田議員は政府与党から事実上、何らの責任も問われず今日も議員活動を続け、人権侵犯の被害者に対し、さらなる苦痛と憤りを与え続けています。また、杉田議員の所属する自由民主党は、責任を追及するどころか、杉田議員を党の重要なポストに就かせています。

 

なぜ杉田議員を重用し続けるのか? 繰り出される暴力的な言葉が、マイノリティに対する日本の歴史的不正義を認めようとしない人々の耳目を引いて、それが政党支持につながる、と考えているのでしょうか? しかし、法務当局から人権侵害認定を受けてなお差別をエスカレートさせる人物にこのまま議員バッジをつけさせていたら、党自体も早晩、差別主義集団とみなされるでしょう。議員本人が辞職を拒むなら、政党が比例名簿から除名すべきです。

 

立法府の見識も問われます。日本は近年、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消法、障害者差別解消法、アイヌ施策推進法など、差別解消に向けた法整備を進めてきました。しかし杉田議員の人権侵犯認定後、国会はこの問題を議論していません。その姿は、これらの差別禁止法を形だけの文書に貶めるものです。

 

杉田議員を重用し続ける政府与党の姿勢は、新たな不祥事が表面化するたびに、それ以前の不祥事を忘れ去り、責任を取らせようとしないマジョリティ有権者の政治意識によって支えられてきた、と言えるでしょう。政治家による差別発言をいま見過ごすことは、この差別に承認を与え、第2、第3の杉田議員を生み出すことに他なりません。インターネット空間でのヘイトスピーチが事実上野放しになっている現代において、マイノリティの被害者は、救済の望みのないまま、さらなる人権侵害にさらされることになります。このような状況をこれ以上看過することはできません。マイノリティの声を政治につなぎ、早急に対策を講じさせる責務は、政府与党を選ぶ「マジョリティ」側にこそ課せられています。

 

私たちは怒りと悔しさを分かち合い、差別を止めなければならないというメッセージを岸田内閣に届けるため、2024年1月13日、再びここに集いました。差別をなくしたいと願うこの社会のマジョリティも、差別問題の当事者としてこの場に加わりました。私たちはこの集会で、政府の差別への対応について深い不安を抱く状況を改めて確認しあいました。

 

私たちは、アイヌの価値観である「アイヌ・ネノ・アン・アイヌ」に根ざし、この世のすべてのものには大切な役割があるというアイヌの信念を再確認します。私たちは、世界中のマイノリティと連帯し、すべての人々に尊厳と敬意をもって接することによってのみ、恒久的な平和を達成することができるという信念のもとに、私たちの政府と社会のシステムが依拠する価値観を根本から問い直すために立ち上がります。今こそ、社会的差別の問題性を批判的に検証し、それを撤廃するときです。

 

マイノリティの歴史を共有することから始めましょう。きょうここで集まっている私たちはマイノリティ、そして差別問題の責任を負うべきマジョリティとして、差別のない、人権が尊重される社会が実現できるよう、お互いに団結することを誓います。私たちは連帯し、差別的な発言が検証されることもなく、加害者が責任を問われることもない状況に『NO!』を突きつけます。

 

政府・杉田水脈議員に対する抗議集会 参加者一同


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マイノリティへのヘイトスピーチをゆるさない 「人である人」集まろう 集会声明
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政府与党・杉田水脈議員に対する抗議集会

 

日時 2024年1月13日(土曜)17:30~20:30

会場 かでる2・7 大会議室

   札幌市中央区北2条西7丁目 道民活動センタービル

参加費 500円 お申し込み不要です。直接お越しください。

 

主催 「人である人」実行委員会

                  共同代表 曺金時江/ジェフ・ゲーマン/木村二三夫

問い合わせ 011-252-6752 fax. 011-252-6751

syu@sapporoyu.org(さっぽろ自由学校「遊」)

 

在日コリアン女性・アイヌ女性たちを攻撃するブログ投稿が法務当局から「人権侵犯」と認定された与党議員が、改心するどころか、まるで居直ったように、自分の“無実”を強弁し、マイノリティ(社会の少数者)に対する新たなヘイトスピーチを重ねています。被害が広がり続けているのに「事態を傍観する」態度は、もはや同罪ではありませんか? 23年2月に続き、「アイヌネノアンアイヌ/人である人」のご参加をお待ちしています。


賛同団体

「アイヌ女性会議」メノコモㇱモㇱ

アイヌ政策検討市民会議

アイヌ民族党

アプロ・未来を創造する在日コリアン女性ネットワーク

(一財)アジア・太平洋人権情報センター

(一社)アイヌ力

浦河アイヌ協会

NPO法人さっぽろ自由学校「遊」

エンチウ(樺太アイヌ)協会

小樽のアイヌ民族の歴史を考える会

沖縄差別を解消するために沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動

沖縄に応答する会@あきた

沖縄に基地を押しつけない行動・兵庫

沖縄に応答する会@埼玉

沖縄に応答する会@新潟

沖縄に応答する会@福島

沖縄に応答する会@山形

沖縄の基地を考える会・札幌

沖縄の基地を引き取る会・首都圏ネットワーク

カトリック札幌教区正義と平和協議会

木村プロジェクト

軍拡NO!女たちの会・北海道

公益財団法人北海道YMCA

札幌市に人種差別撤廃条例をつくる市民会議

静内アイヌ協会

市民外交センター

市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)

週刊金曜日読者会釧路

少数民族懇談会

CEMIPoS(環境とマイノリティ政策研究センター)

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センター

日本キリスト「慰安婦」問題の解決をめざすプロジェクトチーム

日本キリスト教団北海教区性差別問題委員会

日本キリスト教団北海教区ハラスメント防止委員会

日本キリスト教団北海教区平和部門委員会

札幌キリスト教連合会在日韓国・朝鮮人との共生をめざすプロジェクトチーム

日本キリスト教会北海道中会ヤスクニ社会問題委員会

日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす北海道の会

反差別国際運動(IMADR)

阪大北海道スタディツアー有志

平取アイヌ遺骨を考える会

ピリカ全国実行委員会

辺野古埋め立て即時中止を求める札幌行動

北大開示文書研究会

北海道有珠ユンタク会

北海道宗教者平和協議会

本土に米軍基地を引き取る福岡の会

三石アイヌ協会

民主教育をすすめる道民連合

紋別アイヌ協会

ゆに9条の会

ラポロアイヌネイション

 


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ヘイトスピーチをゆるさない 「人である人」いま再び集まろうチラシ
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